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「刑事の現場」第1回 団塊世代に媚びたアンフェアな展開に疑問 [池脇千鶴]

NHK土曜ドラマ「刑事の現場」が、3月1日から、始まった。
私が大ファンの池脇千鶴さんが出演するというので、待ち遠しかった。
池脇さんは、刑事役で、柔道・剣道ともに3段という猛者!?

この第1回、池脇さんは、私からすれば、顔を見せた程度だった。残念!
でも、それは、仕方が無い。
今回は、団塊世代のベテラン刑事・伊勢崎彰一(寺尾総さん)と、
新米刑事・加藤啓吾(森山未来さん)が、主役だから。

公式HPによれば、このドラマは、犯人探しの謎解きよりも、
団塊の世代と、若い世代が、混在する刑事の現場を、描き出したい、
ということだそうだ。そういう趣旨の話も、面白いと、思っていた。

ところが、この回を見て終わって、強く思ったのは、アンフェアだなあ、
ということ。なんか、あまりに、団塊の世代(ベテラン)が正しくて、
いまどきの世代(新米)は、全然、ダメ、という図式に、ハマっていないか??

まず、違和感があったのが、加藤を、「ぼうや」と呼んで、バカにしていることだ。
いくら新米でも、もう、成人しているし、職場の上司や先輩から、「ぼうや」
呼ばわりは、時代錯誤で、そんな雰囲気だから、若い刑事が、定着しないのでは、
ないか?? このドラマは、それを、刑事の現場の問題として、提起している
ようには、とても、思えなかった。ベテラン俳優陣への、製作側の媚か??

この回の、主婦殴打事件は、結局、伊勢崎の鋭い観察力と第六感で、
犯人逮捕に至った。それは、それで、凄いと思う。実際に、そういう刑事がいて、
いろいろな事件を、解決してきているのだ、と思う。

一方で、合理主義者の若手刑事・岸田渉(浜田学さん)が、今はやりの
IT機器などを活用しようとするが、どうも、使いこなせていない感じだ。
確かに、捜査対象を広げるだけでは、焦点がぼけるし、膨大な資料や情報を、
IT技術で収集しても、それを、処理する時間や、人員を考えると、
諸手をあげて、賛成は、できない。

やはり、なにか、時代に即応した、やり方を開発しないと、伊勢崎みたいな、
古典的な捜査方法には、かなわないと思う。

私は、将棋が好きなので、プロの棋士に、例を取ると、以前の棋士は、
経験第一で、長く将棋をやっているベテラン棋士が正しくて、新米棋士は、
勝ち目が無い、と、信じられてきた。

ところが、現在、最強の棋士といわれている、羽生善治さんは、ハイティーンのころから、
名だたるベテラン棋士を、次々と破り、IT時代の寵児となった。
羽生さんに代表される若手棋士たちは、ベテラン棋士たちが感覚的に把握していた
大局観を、IT技術を基にデータベース化した情報と、第六感とを、融合させて、
進化・確立してきたのではないか、と、私は、思っている。

話が、将棋に脱線したけど、言いたいのは、今回描き出された「刑事の現場」は、
なんて、時代遅れなんだろう、と、いうことだ。その現状に、ベテラン刑事たちが、
問題意識も、危機感も、持っていないように、見えるところが、大問題だ。

伊勢崎が、加藤に、自分のノウハウを、どう伝えていくのか、という重要な点も、
昔の職人のように、加藤は、伊勢崎の後を付いて回って、体得しろ、ということ
だけのような気がして、そんなプリミティブな方法だけで、ベテラン刑事の
経験や捜査技術を、新米刑事に、効率的に、伝達できるのか、疑問だった。

どんどん、ベテラン刑事が、定年で辞めていくこの時期に、そんなにのんびりしていて、
時間が、足りないんじゃないの?? 大丈夫なのかなあ・・・・・・

池脇さん演じる、人妻刑事・瀬戸山瑞穂は、伊勢崎のことを認めているようで、
それはそれでいいけれど、瀬戸山自身の捜査の考え方や、方法論は、この回では、
まだ、開陳されなかった。それよりも、ドラマの終わりのほうで、夫ともめている
ような電話を、母親?と、していたことのほうが、私個人としては、気になった。

副署長の桐島奈津子役の、真野響子さんを、久しぶりで、TVで、
見たような気がする。真野さんの役柄の詳細も、今回は、明確にされず、
次回以降へ持ち越しだけど、パチンコをしている姿が、妙に、印象的だった。

私としては、ベテラン刑事の長所と短所、新米刑事の長所と短所を、
フェアに、描いてほしいな、ということだ。
新米刑事の良さに気づかないんだったら、いくら、ベテラン刑事が、
がんばっても、刑事の現場に、未来は、無いと思うよ。






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