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映画「ブース」許せない一言を吐いた人気DJの佐藤隆太 [映画]

CATVでやっていた、「ブース」という映画を、なんとなく、見てしまった。
ホラーとか、スリラーの映画は、見ない主義なんだけど、75分と短い映画
だったので、少し、気が楽になったから。2005年11月に、公開された。

この題名の「ブース」とは、ラジオ放送局のスタジオのことらしく、
映画の舞台は、第6ブース。地下4階にあるということで、
何か、地上とは違ったことが、起こりそうだ。

この第6ブースは、今は、使われていないが、開局当時、年配のアナウンサーが、
リスナーから、変な電話を受け、そのブース内で、首吊り自殺をした、という、
いわくつきの場所だった。

私が、このシーンを見て、理解したのは、そのアナウンサーが若いころ、
一緒に心中しようとして、死んでしまった女からの電話だった、ということ。
このブースは、死後の世界とつながっているのか???

この映画を見ようと思ったのは、主演が、佐藤隆太さんだったこともある。
佐藤さんは、ラジオの人気DJ・勝又真吾の役で、いかにも、
女に持てそうな、色男の役。でも、調子に乗っていて、傍若無人な、
無神経なヤツ。まあ、放送局とか、芸能人って、けっこう、そういう、
内容の無いヤツ、いるよね。

ある日、放送局の改装のため、その日限りで、第6ブースを、使うことになった。
Tokyoラブコレクションというシリーズの深夜放送の、その日のテーマは、
彼氏とか、彼女からの「許せない一言」だった。

最初の電話は、「バケミ」とかいう、12歳、千葉県の少女。
好きだった男の子に、言われた暴言の話だった。
真吾は、明るく、明るく、対応するが、いやな予感がする。
何かを、思い出したようだった。

そして、キイキイいう異音が入り、「ウソツキ!」とかいう女の声まで入る。
これは、電話の混線か? ということで、リスナーから、
今の音は何だ? とか、本当に混線か? とか、ものすごい反響になる。

引き続き、入ってくる電話の内容は、略奪愛だったり、心無い言葉だったりして、
それ自体は、よくある話で、「許せない一言」の1つのサンプルだった。
しかし、真吾にとっては、見過ごせない内容だった。

それは、過去に、自分が、やってしまったことと、よく似た事例だったから。
そして、その過去の事例のシーンが、時々、映像になって、映し出された。

特に、会社の同僚に発した、「口が臭い」という、心無い言葉の、
電話相談について、真吾は、自分の思い出とか、気持ちに動揺してしまって、
あやふやな対応をする。
その不十分な対応を、電話しているリスナーに咎められて、逆上したかのような、
強い態度に出てしまうのだった。それじゃ、DJ,失格だぜ!!

一番大きな問題は、ニュース担当の、マブチという女性アナが、
到着していないことだった。
この女性は、真吾が略奪して、恋愛していたのに、真吾が、捨てようとした女性だ。
伊豆で、別れ話のもつれから、車から捨ててきた。
こういう話になってくると、真吾のことを、単に、性格悪い、いやなやつとばかり、
言っていられない。下手をすると、犯罪者になっているかもしれないのだった。

この映画は、電話相談が、真吾の思い当たることばかりで、しかも、
女性を捨ててきたばかり、という、心理状態に置くことで、真吾に、いいようのない、
不安を、惹起していくことに、醍醐味があるように、思う。

それを、外界から遮断されたような、ブースの中を舞台にすることで、
なお、一層、真吾の周章狼狽を、増幅して見せている。生放送中という設定も、
同じような効果を、出していると思う。

自分が思い当たることばかり、電話相談してきたりしたのは、全くの偶然で、
それに、翻弄された、真吾が、パニックを起こしたのか??
人は、誰でも、過去の過ちや、ウソなどを思い巡らすと、疑心暗鬼になり、
どうでもいいことを、疑ってみたり、幻視や幻聴が、現れるものだ。
いやー、悪いことは、できないものだ。

ただ、この映画は、それだけではなくて、やはり、この第6ブースに、
何かある、と、思わせている。それは、何なのか????
私は、この映画の中で、「ウソツキ!」と、何回も、リフレインのように、
繰り返された言葉が、鍵だと、思っている。

「ウソも方便」なんて、諺もあるが、「許せないウソ」も、あると思う。
あのブースに、許せないウソをついたものが入ると、その部屋の
自縛霊か、なにかが、そいつを懲らしめて、首吊り自殺に
もっていくのでは、ないだろうか???

さて、これまでの人生で、嘘をついたことが無い人は、いないと思うけど、
「許せないウソ」をついた人は、何人、いるんだろうか???
まあ、そういう質問をしてみても、ウソをついた本人は、すっかり
忘れてしまっていて、つかれた本人は、ずっと、覚えている、ということが、
この映画の怖さじゃ、ないだろうか??







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