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映画「東京タワー」すねかじり男が出世して親孝行を自画自賛する醜悪な映画 [映画]

すでに、ここのブログでも書いたように、「東京タワー」の原作本は、
私にとっては、マザコン男の孝行談にしか、読めず、失望した。
そんな原作を映画化したとしても、どうせ、面白くないだろうと、思っていた。

ところが、映画「東京タワー」が、映画賞かなにかを取った、という噂を聞いて、
もしかしたら、映画は、原作と違って、よく出来ているのか、と、期待した。
それで、遅ればせながら、DVDをレンタルして、見てみた。

で、結論を先に言うと、原作よりも、映画の方が、もっと、ダメだった。
やっぱり、自分の直感を信じて、この映画は、見るべきでは、なかったな・・・
ともかく、退屈で、疲れた映画だった。内容の無い、つまらない映画だった。
しかも、2時間20分を超える、長時間の映画だった!? 拷問に近かった。

この映画の題名、「東京タワー」とは、どういう意味だったのだろうか????
全く、不明である。あるいは、名画「東京物語」のパロディだったのかもね。

まず、ストーリーだけど、ただ、ノルマ的に、事実をなぞっているだけで、
この先、どうなるんだろう、という、映画の醍醐味が、全然、無かった。
映画は、やはり、夢中になれるストーリーじゃないと、いけない。

この映画は、原作と違って、実質、母子家庭に育った主人公・ボク
(オダギリ・ジョーさん)の出世と、親孝行の、自慢話の域を、出ていない。
ボクは、頼りない男の子だったけど、どうだ、こんなに、成金の男になったんだ、
という、自画自賛の話だ。かなりな醜態で、恥ずかしくないのかな???

演じたオダギリ・ジョーさんの、多彩なファッションは、ダサくて、全て、
場違いで、まあ、田舎から東京へ出来た、田舎者らしくて、それは
リアルだったけど、オダギリ・ジョーさん自身の雰囲気は、九州の炭鉱の
田舎から出てきた、純朴な男の子のそれではなく、都会のブローカーみたいで、
全く、ミスキャストだった。

そんな都会的な、怪しい雰囲気の、オダギリ・ジョーさんでも、後半の、
癌性疼痛に苦しむオカンに、付き添う辛さや、オカンの死への、深い悲しみは、
よく、表現できていたと、思った。外見が違えば、名演だった。

オカンを演じたのが、若い時が、内田也哉子さんで、この女優は知らなくて、
演技もヘタだし、もっと、違う女優が、いなかったのかと、思った。
顔が、樹木希林さんに、似ているという理由だけで、抜擢されたのかどうか・・・

年配のオカンは、その樹木さんが演じていて、全般に、いい演技だった。
特に、ボクに対する母親ぶりや、オトン(小林薫さん)への対応など、
なかなか、良かったね。

個々の役者の演技を云々するより、むしろ、脚本に、問題が多い。
オトンのキャラだけど、自分勝手な、遊び人で、女遊びも盛んなオトンが、
小林さんの、演技や、セリフから、全然、見えてこなかった。

別居して、別の女と暮らして、何年も経つのに、オカンが病気になった途端、
看病のため、何日も、東京に滞在するなんて、有り得ないぜ。
このオトンとは、どんな男なんだ!?

大体、このオトンの身勝手さゆえに、オカンが苦労して、癌になったのかも
しれないのに、葬式では、しゃしゃりでて、涙を流すなんて、
どういう神経をしているんだろう??????

松たか子さんが演じた、スズキという若い女に至っては、その存在自体、疑問だ。
ボクとは、もう、別れた、という。そんな女が、いまだに、ボクに
付きまとって、オカンとも付き合うなんて、何のつもりなんだろう????
だから、松さんの存在感も希薄で、まるで、亡霊見たいに、
ボクに、取り付いているようだった。

オカンが、必死に稼いだ金を元手に、大学時代に遊びほうけた、親不孝なボクは、
卒業後、仕事が成功して、親孝行も出来て、それで、すべてが、免罪されたような、
展開だった。
ボクには、終始、葛藤がないようだった。ホントに、それで、いいのか???

妻子を捨て、不倫して、勝手気ままに、生きてきたオトンは、入院したオカンを
見舞いに来た時は、腑抜けの、生きる屍みたいで、反省も無く、それで、すべて、
許されると、思っているのだろうか??  人生の葛藤は、無いのだろうか???

ベッドの上で、いそいそ、そんな腑抜けの、オトンの来訪を待つ
オカンは、一体全体、何を、考えているのか??
悩みは、無いのだろうか????

この映画は、登場人物の、個人個人に、葛藤が、無い、映画だ。
そして、悪い人が、ひとりもいない映画だ。
そんな世の中が、どこに、あるんだろう?????
実に、無意味な映画だ。

蛇足。最近、有名な役者を、一瞬、登場させることが、流行っているけど、
観客動員を狙った、そういう姑息なことは、やめてほしい。
この映画でも、小泉今日子さんとか、宮崎あおいさんとか、出てきたけど、
あれは、一体、何だったんだろう????? 人寄せパンダか?(死語!?)

もう1つ、蛇足を付け加えると、映画「三丁目の夕日」のパクリで、
建設中の東京タワーや、オート三輪などの映像は、興行成績の向上のため、
回顧的な高齢者に媚びているとしか思えず、無意味なものだった。
そういう姑息な手段も、やめて欲しい。





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