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「刑事の現場」第3回 外見の奥に潜む犯罪者の顔を暴く刑事の現場の凄さ [池脇千鶴]

今回は、出番が少なかった池脇千鶴さんが、長く出演したので、
大ファンの私としては、大満足だった。

このNHK土曜ドラマは、人は見かけによらない、ということを、
一貫して、言っているようだ。外見に、騙されてはいけないんだ。
今回も、邸宅の美人妻・曽根真里子(葉月里緒奈さん)が、なんと、
覚せい剤の運び屋という、設定だった。

この曽根を、瀬戸山瑞穂刑事(池脇さん)が担当で、追っていたが、
その応援ということで、加藤啓吾刑事(森山未來さん)が、
当てられたのだった。

加藤が、なにげに、「あんな普通の主婦が・・・」と言った時、
瀬戸山は、「普通の人間なんかいない、それを見抜くのが、刑事の仕事!」
と、強く、たしなめるのだった。

池脇さんと、森山さんのコンビは、なかなか、良かったな。
二人とも、演技がうまいし、そのやり取りが、小気味良かった。
池脇さんは、とりわけ、厳しい雰囲気で、瀬戸山刑事を演じていたが、
この厳しさが、池脇さんの1つの取り柄だね。

曽根の夫は、瓦の老舗メーカーの跡取りで、家は裕福で、一人息子も
ちゃんと育ち、自分は、専業主婦で、クラシック音楽に造詣が深く、
ピアノも弾けるという。
そういう真理子が、なぜ、覚せい剤という、恐ろしいクスリの運び屋になんか
なってしまったのか?

瀬戸山が見抜いたように、真理子は、仕事に忙殺される夫に、相手にされず、
とても、寂しかったから、のようだ。しかも、万引き癖があり、
それが、運び屋にハマっていく、きっかけだったのだ。

まあ、ストーリーとして、一応の説得性は、あるし、葉月さんを
起用したことで、私は、納得してしまった。
葉月さんは、いかにも、生活力の無い、柔軟性に乏しい、やつれた美人妻に、
びったりの女優だった。
ただ、プロのピアニストを目指した女性にしては、情熱に欠ける雰囲気だけど、
それも、年月が、そうさせた、と、考えれば、不思議ではなかった。

この運び屋事件では、覚せい剤の恐ろしさのアピールが、足らなかった。
曽根真理子に、加藤刑事は、息子のことを忘れている、と指摘したが、
それは、かなり、情緒的発言で、本来なら、覚せい剤の中毒の恐ろしさに
ついて、言うべきだったんじゃないかな・・・・

曽根真理子を逮捕して、連行中の車中で、息子を見て、泣く真理子の横で、
車外を見つめる、池脇さんの無言の表情が、今回のベストの表情だった。
このドラマは、池脇さんも含めて、登場人物の無言の表情が、
意味を持つ、落ち着いたドラマだと、思う。

今回は、もう1つの事件、息子の母親殺し事件が、ダブって進行していた。
俳優では、野下刑事を演じた、石倉三郎さんと、古川刑事を演じた、
忍成修吾さんの演技が、特に、良かったように思った。
この事件は、最近、良くある、親殺し事件の類型で、
父親(村田雄浩さん)が、身代わりになる、という浪花節的筋書きだった。

このドラマは、詳細まで、よく、整合性が取れているドラマと、感心してきたが、
今回、1点だけ、ちょっと、よくわからない部分が、この母親殺し事件にあった。
それは、息子の黒ぶちのメガネだ。

このドラマの冒頭で、この事件の捜査に、野次馬が出ているシーンがある。
その中に、犯人の息子が映っていて、どういうわけか、
黒ぶちのメガネを、しているんだ??

で、次に、古川刑事たちの前に現れた息子は、このメガネをかけていない。
このことから、古川は、息子に、疑義を抱くのだけど、なぜ、息子は、
わざわざ、メガネをはずしてきたのだろう?? 

最初のシーンでは、何も問題なく、しているのに??
犯行の発覚を恐れる、犯罪者心理から、どこかに、隠したのだろうか??
隠すなら、メガネ1つだ、そう簡単には、見つからないところだろう。

もし、そうなら、最後のほうのシーンで、父親に、伊勢崎刑事(寺尾聰さん)が、
お前は殺人をしていない、と迫るときに、使った、息子の黒ぶちのメガネは、
どこから、出てきたのだろう??
マジックミラーの観察室にいる息子が、そう簡単に、提供するとは、考えにくい。  

さあ、来週は、もう、最終回だ。
加藤刑事は、刑事だった自分の父親が、伊勢崎刑事と同僚だったことを知った。
そして、「生きて帰らなかった」加藤の父親を、強く批判した、伊勢崎。

予告編から、息子の加藤啓吾も、父親と同じ運命を辿るのか、心配になった。
4回で終わるのは、なんか、とても、残念。
続編が、ほしい!





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