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「小さな暮らしの「ぜいたく」」物欲に支配された生活からの脱却 [書籍]

「小さな暮らしの「ぜいたく」」という本を、週刊誌で知った。
東海大学が出している、月刊「望星」に、発表された、エッセイを、
集大成した、単行本で、2007年12月13日に、第1刷が、発行された。
収載されているエッセイは、28名が書いた、28編に及ぶ。

私も、以前は、物欲の亡者になっていて、ともかく、いろんな物を
購入したくて、物をたくさん持っていれば、幸せだ、と、思っていた。

ところが、そんなに、多くのものを所有していても、ちっとも、
幸せに感じないことに、疑問を持ってきた。
最近は、ほどほどに、物を持つことにして、むしろ、人生の時間自体を
楽しもうと、思っている。

この本の「小さな暮らし」というのは、そういう、物欲を抑えた、
暮らしのことだろう、と思って、読んでみたくなった。
また、「ぜいたく」というフレーズに、ちょっと、惹かれたこともある。

読み終わって、概略は、私が考えているようなことと、ほぼ一致した。
しかし、実行するとなると、とても、この本の著者たちには、敵わない。
どっちかというと、極端な人々のエッセイと言う感じだ。

私は、湘南の地を捨てて、北海道や、本州の田舎へ、移住しようとは、
思わない。それを実行した著者が、何人か、いるようだが、もちろん、
私は、批判するつもりはない。
むしろ、大自然に囲まれた生活を、うらやましく、思うだけで、
東京生まれで、東京育ちの私には、僻地の生活など、到底、無理だ。

さらに、田舎で、農業をやる人も、多いが、先祖が武士と聞かされている
私なんか、DNA的に、農作業の農の字も、絶対、無理だと思う。
そんな根性はない。

部屋の中を、出来るだけ、空にして、空間を多く取る、というのは、
私は、ずっと、実行しているので、わが意を得たり、の、気分だ。

電化製品を、どこまで、利用するか、も、この本のテーマだ。
著者たちが、50代から60代が多いので、例えば、携帯電話が、
本当に、必要か、という意見が多い。まあ、私も、メール依存症に
なったことがあるので、度を超すと、携帯電話も、問題かも。

50歳から70歳の年代は、IT製品になじみが少ない人が多いので、
ネットを使わなくても、生活できるという意見があるのは、仕方が無い。
私にとっては、ネット無しで、生活することは、困難だ。

TVとか、DVDに、無縁の著者たちが、いるのは、やはり、驚く。
それでも、TVに、時間を、使いすぎていないか、と、問われると、不安になる。
幾人もの人たちが、TVのような世俗的でないことに、時間をたっぷり使う、
ぜいたくを、書いている。そういうぜいたくも、アリか・・・・

いろんなイベントを、スケジューリングして、次々と、
こなしている私には、そんなぜいたくが無いのが、ちょっと、悔しい。
やはり、私は、時間に追われて、生きているのか?

クーラーなんか、要らない、という著者もいる。クーラー無しの生活は、
田舎なら可能だけど、都会では、暑くて、とても、無理だ。

着る物が、過剰なことを、書いている著者が、いた。その通りだね。
私も、まじめに着たら、死ぬまでに、全部着られないぐらいの、
衣類を、持っている。
いつ、こんなに、買ったんだろう? 買わされたのか??

私は、本を好きなので、いつの間にか、本が、いっぱいになる。
で、古本屋へ売ったり、近所のバザーへ出したり、廃棄したり、
最近、ようやく、出来るようになった。

本に限らず、著者の一人が、捨てる行為は、自分と向き合うこと、と、
書いているが、その通りだと思う。

写真を捨てるのは、生きているうちの義務、と、書いたのは、どの著者だったか。
今は、私には、関係ないけど、写真とか、自分の大切にしているものを、
生きているうちに、どうするか、ケリをつける必要があるね。
今回、初めて、意識した。

簡素な生活が、充実した人生を生む、ということは、どうも、真理らしい。
いろんなものを、やたら、購入して、物欲を満たそうとしても、
なぜか、満たされない心が、残るばかりだ。そんなことの繰り返し。

一方、質素な生活は、自然の美しさに、眼が行くということは、実感として、
私にも、理解できる。
どんなに豪奢なものも、湘南から見る、富士山の美しさには、敵わない。
どんな高価な宝石よりも、一輪の野の花が、素晴らしく見えるときがある。

私は、湘南の便利な暮らしを、放棄するつもりはないが、
物欲に任せた、物に溢れる生活は止めて、本当に必要なものだけを、
身の回りにおいて、出来るだけ、簡素な生活をしていきたい。
そして、大自然の美しさを、ちゃんと、鑑賞できる余裕を、持ちたい。






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