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「薔薇のない花屋」第5話 共感性と説得性が欲しい恋愛ドラマ [TV]

今回は、特に、共感性と、説得性に、欠ける内容だった。
脚本の作り方が荒くて、野島さんのTVドラマとも、思えなかった。

まず、白戸美桜(竹内結子さん)への共感性と、説得性が、無いのは、
従来どおりだった。自分が、嘘をついて、花屋の汐見英治(香取慎吾さん)を、
騙しているんだ、という、自覚が、ほとんど見えない演技だ。

重病の父親(尾藤イサオさん)を必死で救おうとする、美桜の、執念も、感じない。
だから、どうしようもない、究極の選択で、英治を騙している、という、
説得性が、全然、出てこないんだ。

今回は、美桜が、良心の呵責に堪えかねて、父親を転院させようとしたが、
その瞬間、父親が倒れて、脳腫瘍だった、なんて、話を作りすぎだぜ。
しかも、父親は、検査入院しているんじゃなかったのか????
ガン特異抗原に対する抗体を、調べているはずで、ガンなら、
すぐに、分かったはずだ。

脳腫瘍の手術を、病院長(三浦友和さん)しか、出来ない、なんて、
今の医学界の現状を、無視した設定だし、美桜の目の手術に、大金が
必要だなんて、その金額も、どんな手術かも、説明されない。反則だ。
仮に、網膜はく離の手術なら、数十万円で済んでしまうし・・・・・・
医学的な考証をちゃんとしてくれないと、医学に詳しい私は、シラけてしまう。

英治が、美桜を好きになるのは、別に、文句はないけど、大金をすぐ用意するなんて、
とても、不自然だ。花屋を処分するのだって、相応の期間が必要だし、同居している、
菱田桂子(池内淳子さん)や、工藤直哉(松田翔太さん)の了解を得なくていいのか???

今までの展開で、英治が、そんなに、誠意ないヤツだとは、思えない。
それに、お金を、美桜に渡すとき、雫(八木優希ちゃん)の貯金箱を、
そのまま、持っていくなんて、そんな無神経なヤツとも、思えない。
お涙のシーンを作るためだったら、極めて、ナンセンスなやり方だ。

それに、手術代を工面しようというなら、まず、ひろく、カンパを募るのが、常道だ。
英治の恋心も、分かるけど、そうしないのは、かなり、説得性に欠けるやり方だ。
金持ちの恋敵に対抗して、自分で、全部、金を出すなんて、相当な野暮だぜ。

菱田が、病院で美桜を見かけたことを、普通なら、まず、英治に言うはずだ。
それを、直哉に言って、結局、誤魔化されるなんて、作りすぎのストーリーで、
またまた、シラけてしまうぜ。

直哉が、数人の男たちに襲われている現場に、小野先生(釈由美子)が、
偶然、通りかかり、救い出すのも、やや無理筋だけど、独身の小野先生が、
自分のマンションに、若い直哉を、連れ込むのも、相当、有り得ない設定だ。
ここで、小野先生は、直哉が、大学生であることを、知ってしまう。

病院長が、死んだ娘の可愛さのあまり、英治に逆恨みするというのは、
まったく可能性がないとは、思わない。人間は、考え違いをすることもある。

しかし、そんな可愛い娘の娘、つまり、院長の孫に当たる、雫のことを、
考慮しないっていうのも、現実味が、感じられない。
英治を傷つければ、当然、雫も、傷つく。それを、それでもいい、という
祖父は、まあ、ほとんど、いないだろう。

それに、その雫を育ててきたのは、英治だ。
だから、病院長が、英治に感謝する気持ちは、当然、あって然るべきだ。
英治を憎むのは勝手だが、感謝する気持ちとの、葛藤がない人間なんて、
まあ、稀には、いるかもしれないが、TVドラマにするなら、そうではなくて、
そこに、視聴者の共感性を、持たせてほしい。

今回、英治の死んだ彼女(本仮屋ユイカさん)が、残されたDVDの中で、
人間関係は、鏡みたいだ、なんて、いい言葉もあった。
喫茶店のオーナーを演じる、寺島進さんのユーモアも、あった。

英治が、美桜に届けた、パンジーの鉢植えの、綺麗なこと!
バレンタインチョコを、喫茶店のオーナーに持っていった、
雫のファッションの可愛いこと!!! 
もちろん、優希ちゃんの可愛らしさは、言うまでもない。

こんな、いろんな、いいシーン、いい映像が、共感性と説得性がない、
安っぽい設定のために、影が薄くなったのは、とても、残念だった。
いずれにしても、お金で、愛情を図ろう、という筋自体が、さもしいというか、
人間として、情けないんだけどね。



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