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「刑事の現場」第2回 近来稀に見る上質のTVドラマに感動した [池脇千鶴]

「48時間の壁」と題した今回は、とても、見ごたえのあるドラマだった。
もしかしたら、最近では、ベストワンのドラマかもしれない。

そのことを書く前に、私が大ファンの池脇千鶴さんのことを、書く。
まず、度肝を抜かれたのが、池脇さん演じる、瀬戸山刑事が、
放火犯の疑いのある男を、投げ飛ばしたことだ!!!!

電光石火の早業だった。日本女子柔道も、金メダルを取る時代だ。
こんな、女刑事が、いてもおかしくない。
でも、童顔アイドルだった池脇さんが、訳ありの、人妻子持ち刑事を
演じて、様になっているのは、過ぎ去った年月の、長さを感じる、私だった。

笑顔もいいけど、厳しい顔をする池脇さんの顔つきも、私は好きで、
それは、三井リハウスCMや、映画「大阪物語」以来、
変わっていない、池脇さんの魅力の1つだ。

瀬戸山は、ドラマで展開する事件に、直接的に、絡んでくることは、少ない。
むしろ、伊勢崎(寺尾聰さん)に代表される、団塊の世代の刑事をサポートしたり、
加藤(森山未來さん)に代表される若者刑事の面倒を見たりと、
老若二世代の橋渡し役的な役割を、果たしている。
そういう意味では、池脇さんは、良く演じていると、私は、思う。

さて、今回のストーリーは、夜間に不審者として、加藤と古川(忍成修吾さん)
が職務質問した老年の男が、暴れて、公務執行妨害で、逮捕されたことから、
始まっていった。

この老年の男・鵜飼(原田芳雄さん)は、かって、加藤の小学校の先生であり、
教師だった。そうではあるが、そんな男が、もしかしたら、1年前の
タクシー運転手殺害事件の犯人じゃないか、と、伊勢崎は、目をつけ、
物語は、展開していった。

ただ、別件の取り調べであるため、題名にある「48時間」以内に送検
する必要があった。
そこで、伊勢崎や加藤たちは、必死に、鵜飼を、取り調べたり、捜査して
回るのだった。

この鵜飼を演じた、原田芳雄さんの演技が、実に、素晴らしかった。
また、鵜飼の諸々の条件を設定した、脚本に、整合性があり、説得性が高かった。
つまり、鵜飼の孫娘を、交通事故ではねて殺して、知らん顔をしている
タクシー運転手に、殺意を抱いた、鵜飼の気持ちは、痛いほど、分かった。
そして、殺人者でありながら、見知らぬ女子高生の自殺を、阻止しようとした
努力は、人間の複雑な心理を、描写していて、とても、リアルだった。

第1回について、ここのブログで、加藤を、先輩刑事たちが、「ぼうや」と
蔑称して、けしからん、と、私は、クレームを書いたが、
今回は、そういうことはなく、むしろ、加藤を信じて、鵜飼の自白をさせた
シーンは、なんか、涙ぐんでしまった。
それは、原田さんの好演は言うまでも無く、森山さんや、寺尾さんの
演技が素晴らしかったからだ。

言うのが遅くなったが、寺尾さんの演技も、今回は、出色の出来だった。
セリフが自然で、表情に、深い心理描写を込めていて、さすがは、
ベテラン俳優だと、感心した。

あと、ひしひしと迫ってきたのが、タクシー運転手の母親役をやった
ベテラン女優のセリフだった。
この女優は、良く知らないけれど、たった一人の息子を殺されて、
1年を経て、まだ、犯人も捕まっていない状況の母親の気持ちを、それこそ、
120%も、視聴者に、伝えられたんじゃないか、と思った。

脚本がしっかりしていて、出演者の演技が、みな上手だった第2回。
こんな出来の良い、いろいろ考えさせられる刑事ドラマに、
最近、出会ったことが無かった。

いやいや、刑事ドラマという限定ではなくて、すべてのTVドラマと
比べてみても、内容の濃い、素晴らしいTVドラマだった、と言える違いない。
こういう、いいTVドラマが、もっと、増えて欲しい。
この「刑事の現場」は、4回で終わってしまうけど、同じキャストで、
続編を、やってほしいな。






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