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田舎薬剤師が書いた本「ドラッグストアへようこそ」の抱腹絶倒 [書籍]

最近、知人に教えてもらった、「ドラッグストアへようこそ」という本は、
腹を抱えて、大笑いの部分が多い本だ。この本は、2007年10月19日に
第1刷が、発行の、新しい本。

書いている人も、今年71歳になる、おじいちゃん薬剤師という、
異色の著者だ。もちろん、現役の薬剤師で、長野県は伊那市という
ところで、ドラッグストアの薬剤師をやっているんだ。

しかも、この薬剤師を始めたのが、65歳からというから、
凄い老人パワーだ。若者も、マジ、負けてしまうような、元気爺サンなんだ!

この人が、ドラッグストアで経験した、お客とのやりとりを、
記録したのが、この本というわけだ。記録といっても、
まあ、生々しいメモみたいなもので、学術的な意味は、低い。
ただ、今の田舎の、ドラッグストアの現状を、知るには、いい本だと思うよ。
もちろん、都会のドラッグストアだって、同じようなもんだよ。

表紙にも書いてある、「ミトコンドリアを下さい」という質問は、
面白さにかけては、抜群の質問だね。どう答えたらいいんだ?!
こういう質問をする人は、中学や高校で、理科を
よく勉強していない人に違いない。

セックス関連の商品に関するエピソードは、なかなか、面白い。
「潤滑油」の話は、思わず、笑ってしまった。
精力がつくドリンクというのも、人気があるみたいだけど、
その効果は、どうなんだろう? イカリソウエキスは、効きそうだけどね。
「カミジンヤ」って、ブラジル語で、スキンのこと。
田舎薬剤師は、ブラジル語も知っていなければならないのか?!

生半可なくすりの知識で、勝手に判断している客も、多い。
この「判断力」ということが、大事だと、この本で、理解した。
薬のことを、いくら、沢山、知っていても、それで、判断できるかというと、
知識の量だけでは、そう簡単に、この「判断力」は、つかない。
著者の田舎薬剤師も、この点では、苦労しているようだ。

著者が指摘していて、私もそうだと思うのは、薬の相互作用について、である。
いわゆる、飲み合わせだけど、判断するデータが不足したり、
学問自体が、まだ、発展途上だから。

医家向けの医療用医薬品と、薬局でも買える一般医薬品の、
区別がついていないお客が多いと、この著者は、嘆いている。
ましてや、医療用の処方せん医薬品と、そうでない医薬品の区別は、
もっと、難しい。

この本にも、処方せんがないと購入できない薬を、買いに来るお客が、
相当いるみたいだ。しかも、以前は、処方せんなしで購入できた薬の場合、
お客は、かなり、面食らうそうだ。

この本を読んで、ドラッグストアは、もっと、複雑だ、ということが、
実感として、理解できた。
というのは、医薬品のほかに、医薬部外品や健康食品まで売っているからだ。
この区別が、消費者には、ついていないことが、良く分かった。

私は、アメリカみたいに、医療用医薬品と、それ以外というふうに、
2つだけに、分けて考えている。それ以外のほうは、全然、信じないことに
しているんだ。
例えば、健康食品の効能なんて、私は、全く信じていないし、
その毒性は、メーカーでさえ、把握していないのだから、怖くて仕方が無い。

でも、薬剤師などの専門家でない限り、その辺の知識は持っていないし、
一般の人は、どうやって、そういう知識を得たらいいのだろうか?
一般向けに、本も出ているようだけど、一般向けと言っても、難解だし、
くすりはドンドン変わっているので、少し古い本では、勉強しても、
徒労に終わるだろう。

どんな商品も、その価格が適正かどうか、気になるところだけど、
薬ほど、値段が分からないものはないだろう。小さな包装で、
何千円したり、ものによっては、一万円を超える薬もある。

この本では、薬の値段が高い、という、お客の例が、いくつか、書かれていた。
私が思うに、化粧品の方が、不自然に、高価だと思う。
化粧品には、薬ほど、有効な成分が十分含まれていないのに、高価なのは
おかしい話だ。

この本を読んで、最後に思うのは、この著者のような、まじめで、
勉強を良くする、薬剤師がいる、ドラッグストアは、まだ、いいが、
ドラッグストアの薬剤師が、この著者みたいな人である保証は、無い。
それに、著者にしたって、分からないことが、多いみたいだ。

だから、最新も含めて、あらゆるくすり関連の情報に、対応して、
的確に「判断」できる、「くすり相談所」みたいなものが、あれば、
いいなあ、と、しみじみ、思った。






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