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NHKスペシャル「見過ごされている認知症」驚愕の実態 [生活]

1月20日のNHKスペシャルは、認知症に関する、総合討論番組だった。
医師や患者、家族なども、スタジオに出演して、さらに、升添厚労相も
出席して、かなり、迫力のある番組だった。

ともかく、私が、驚いたのは、本人や家族がおかしいと感じて、
認知症じゃないかと、医者に行っても、正しい診断がなされず、
放置される実例が、たくさん、あるという事実だ。

もちろん、認知症が専門の専門医では、そういうことは、稀だろうが、
問題の1つは、患者の近所のかかりつけ医にあるようだ。

認知症を診断するには、問診、認知機能テスト、画像診断の3つが
かかせないが、この3つを、全部、実施していない医者が、けっこう、いる。
また、3つを実施していても、それぞれが、不十分で、
認知症の診断に、至っていないという、ビックリするような話だった。

たとえば、出演したある夫婦の場合、妻が、夫をおかしいと気づいてから、
いろいろ、病院を回って、なんと、8年後に、認知症と診断されたという!!!
この8年間に、認知症の適切な治療されていたら、夫の病気の進行を
止められたのではないか、と、妻は、悔しい思いをしているそうだ。

問診は、かなり、時間をかけなければ、診断は難しいそうで、
忙しい医者は、時間をかけられず、誤診してしまうリスクが、示された。
頓馬なことに、画像診断して、異常が画像に出ているのに、それを
読み取ることができない、医師がいるという!!???

出席していた、精神科関係の学会の理事長(医師)は、診療報酬が
つかないので、長い問診は、難しいなどと、金権主義的な言い訳を
していたが、患者代表の人から、厳しく批判されていた。
金儲けだけで、医師をやるのは、言語道断だ。

かかりつけ医が、認知症を勉強不足なのは、この番組で明らかだった。
なぜ、勉強しないのか???  多忙だったり、認知症が、生命に別条ない、
疾患だったりするためなのか??

因島のある整形外科医が、かかりつけ医をやってきて、自分が、あまりに、
認知症に無知だったことを反省し、独学で、認知症を勉強し、成果を
上げている実例の話は、なんか、ものすごく、感動した。
そういう前向きで、謙虚な、いい医者も、いるんだ、と、思った。

厚労省は、認知症を勉強させるために、サポート医なる制度をはじめているが、
サポート医による6時間の研修を受ける、かかりつけ医師数は、都道府県や
地方自治体によって、ものすごいバラツキがあることも、この番組で、
明らかにされた。命を扱うのに、医者は、勉強する気がないのか???

さらに、上記した因島の整形外科医は、自らの経験から、たった6時間の
研修で、実践的な診断力が、つくはずがないと指摘した。その通りだと思う。

老人保健施設では、使える薬剤費が少ないため、認知症の患者に、必要な薬を
投与できないという、信じられない事実も、示された。しかも、自費でも、
その薬をもらえないというのだから、かなり、理不尽だ。
どうも、医療保険と介護保険の断絶が、そういう理不尽な事態を、
引き起こしているそうだ。これは、政治が悪いといわざるを得ない。

こういう現状に関して、升添大臣の応答は、あまり、はっきりしたものでは
なかった。なんとかしよう、という言明に終始していた。

この番組では、以上の問題を解決する糸口として、2つの事例が示された。
1つは、東京・三鷹市の大学病院の、もの忘れセンターの設立だ。
認知症などの専門医10名と、臨床心理士2名という、全国に例の無い
立派な診療体制で、大きな成果が上がっているという。
ただ、責任教授のインタビューでは、患者が集まりすぎて、パンク寸前だという
状況も、明らかにされた。

もう1つは、かかりつけ医と、専門医をつなぐ役割をする、地域医療連携室を
作って活動している、北海道の砂川市の実例だ。
これは、なかなか、現実的な対応策じゃないか、と。私は、思った。

最後に出た、「明日に希望が持てる医療がほしい」、
「日本国民がみんなで助け合う必要がある」という出席者たちの言葉が、
私の胸に、強く、響いてきた。


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